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帰化申請の7つの条件と緩和されるケースの解説

  • 投稿:2024年09月19日
帰化申請の7つの条件と緩和されるケースの解説

外国人が日本国籍を取得できる帰化申請には、さまざまな条件が定められています。
帰化するということは、一個人の国籍を変更するという重みのある手続きであるため、国籍法によるあらゆる帰化条件に当てはまることと、申請には膨大な書類を準備するようになります。
本記事では、帰化条件である7つの項目と、条件が緩和されるケースについて解説していきます。

目次

外国人が日本国籍を取得できる帰化申請には、さまざまな条件が定められています。

帰化するということは、一個人の国籍を変更するという重みのある手続きであるため、国籍法によるあらゆる帰化条件に当てはまることと、申請には膨大な書類を準備するようになります。

本記事では、帰化条件である7つの項目と、条件が緩和されるケースについて解説していきます。

帰化とは?

外国人が日本国籍を取得することを「帰化」といいます。法務局に帰化申請し許可されると日本国籍を取得することができます。

日本の法律では、二重国籍が認められていないため、帰化した後は、元の国籍を喪失して日本国籍のみとなります。

帰化すると日本人と同等の権利を取得できます。在留手続きが不要となり、戸籍や選挙権の取得、職業選択の自由など、日本社会で暮らしやすくなるベースを獲得することができます。

なお、帰化と比較対象となる「永住」は、外国人が外国籍のまま日本に永住することができる権利であるため、在留手続き(再入国許可、外国人登録など)は継続して行う必要があります。

また、帰化申請には「普通帰化」と、要件が緩和される「簡易帰化」があります。

帰化申請を行う場合、どんな条件があるのか?確認していきましょう。

普通帰化とは?

外国人が日本国籍を取得することを帰化といいます。

帰化の種類には、国籍法に基づいて「普通帰化」「簡易帰化」「大帰化」に分類されます。

この中でも、一般的な外国人が対象となる帰化は「普通帰化」です。では、一般的な外国人とは、具体的に誰を示すのでしょうか?

「普通帰化」の対象者について確認しておきましょう。

普通帰化の対象者

「普通帰化」を申請できる対象者は、以下の例があげられます。

なお、在日韓国人(特別永住者)、日本人と結婚した人やその子供などは「簡易帰化」に該当するため、「普通帰化」の対象外となります。

では実際に「普通帰化」を取得するためには、どうしたら良いか?まずは、「普通帰化」の7つの条件をクリアしているか確認することが必要です。

7つの帰化条件

「普通帰化」の7つの条件について解説していきます。

1 住居条件
2 能力条件
3 素行条件
4 生計条件
5 喪失条件
6 思想条件
7 日本語能力条件


※帰化申請の条件は、国籍法第5条の第1項の法律により定められています。

普通帰化の7つの条件は、以下のURLより確認できます。

1 住居条件:「引き続き」5年以上日本に住んでいること

この「引き続き」という意味は、日本から出国せずに継続して日本に住んでいることです。

例)2年間日本に住んで、その後、海外に1年住んで、
  また日本に2年間住んでいる場合は「引き続き」に該当しません。

また、「引き続き」にカウントされる期間については、3ヶ月(90日)を目安に審査されます。

例)海外出張、海外駐在、一時帰国で出産などにより、3ヶ月以上日本を出国した場合は、
  「引き続き」として判断されない可能性があります。出国がいかなる理由であっても、
  出国した事実と期間があったということは、帰化申請の条件に満たないと判断される
  可能性があります。

例)1回の出国が3ヵ月以下でも、1年間でくりかえし短期で出国し、合計150日以上、
  日本を出国していた場合は、「引き続き」と判断されない可能性があります。

加えて、引き続き5年以上の「5年以上」にも条件があります。

・正社員として就職をしている期間が3年以上あること
・留学生やアルバイトは該当しない
・就職のうち転職は数回くりかえしても問題なし

なお、10年以上日本に住んでいる外国人は、3年以上の就労経験がなくても認められます。

2 能力条件:18歳以上であること

申請人の年齢制限は、18歳以上である必要があります。

ただし、緩和されるケースもあります。
18歳未満の子供が、両親と一緒に帰化申請をする場合は例外として認められています。

なお、能力の条件での注意点は、成人(18歳以上)の定義は、国籍ごとに異なるため、日本の法律でも本国の法律でも成人に達している必要があります。

例)シンガポール・インドネシア・韓国・中国では成人年齢の定義が日本とは違う
  知的障害者は、障害の度合いで判断される

能力の条件には、申請人が帰化について理解し、正常な判断能力があることが必要となります。もし知的障害者でも、帰化について自己判断できていれば帰化申請をすることは可能です。自己判断ができないような重度の障害の場合は難しくなります。

3 素行条件:素行が善良であること

素行条件の判断材料は、以下の項目でチェックされます。

・きちんと税金を納めている
・国民年金・厚生年金に加入して滞納していない
・交通違反を犯していない
・犯罪歴がない
・不法滞在者ではない

税金の滞納があった場合は、適切に申告しておきましょう。また配偶者の税金についても確認が必要です.。国民年金・厚生年金の未納金はしっかり払って領収書を提出できるようにしておきましょう。軽い交通違反は問題ないとされています。犯罪歴については、内容によって判断されます。不法滞在については審査が厳しくなりますのでご注意ください。

4 生計条件:生計が成り立っていること

経済的に日本で無理なく暮らして行けるのか?収支のバランスについて判断されます。
生計条件の判断材料は、以下の項目でチェックされます。

収支のバランスが良いこと
破産したことがある場合、破産手続き開始決定日から7年以上経過している
借金やローンがある場合、滞納や返済の遅延がない

なお、専業主婦や学生で収入がない人の場合は、世帯主の収入から判断されます。

また、無職で収入がない人の場合でも以下の条件を満たせば可能です。

・家族からの仕送りで経済援助がある
・十分な資産・年金収入がある

5 喪失条件:帰化したら母国の国籍を失うこと

日本は二重国籍(多重国籍)を認めないため、帰化した場合は、元国籍を喪失することになります。帰化申請をして認められるということは、外国籍を失うということを十分理解してから決めることが必要です。

6 思想条件:危険な思想を持っていないこと

暴力団やテロリスト集団に所属していたり、日本国に危害を与えるような個人的な思想活動を行っている人は帰化することはできません。日本の治安維持のための条件となります。

思想の条件は、申請人本人以外の家族や知人においても同様に審査されます。

7 日本語能力条件:日本語の読み書きができること

帰化申請では、審査官が面談で日本語能力について審査します。もし一定水準以下と判断された場合は、日本語筆記試験を受けることになります。日本語能力の目安は、日本の小学校3〜4年生くらいの能力と考えると良いでしょう。

以上のように「普通帰化」の申請では、7つの条件すべてを満たしていることが必要となります。

ここで、「普通帰化」の申請に合わせて知っておきたい「簡易帰化」について確認しておきましょう。特に「簡易帰化」の対象者となる【日本人と結婚しているかどうか?】にポイントをおいて解説していきます。

帰化条件でのポイント

先述したように、帰化条件は主に7つ存在し、それぞれの条件は相互に関連しており、一つ一つが帰化申請の成功に大きく影響します。

例えば、在日年数の条件は、申請者が日本社会との結びつきを持ち、日本での生活に適応していることを示す重要な指標です。

また、独立の生計を立てる能力は、帰化後も自立した生活が可能であることを証明するためのものです。さらに、適正な行動という条件は、申請者が法律を遵守し、社会的な規範に従って生活していることを確認するためのものです。

そのため、帰化条件の確認を入念に行うことをお勧めします。

帰化条件で注意しておきたいこと

帰化条件を満たすためには、細心の注意が必要です。まず最初に、帰化申請の基本条件は明確に理解しましょう。これらの条件は、年齢、国籍、行為能力、居住年数、行動、生計、罪状等についての明確な規定があります。

しかし、これらの基本条件を満たしていても、帰化許可が下りるわけではありません。法務大臣の裁量により、帰化許可が下りるか否かが決定されます。そのため、具体的な帰化条件を満たすだけでなく、日本社会での生活態度、日本語の能力、帰化後の生活設計なども大切に考慮されます。

帰化条件が緩和されるケースもある

普通帰化では、7つの条件に満たしていることが必要ですが、例外として日本生まれであったり両親が日本人であったり、いくつか条件に満たしていれば、帰化条件が緩和されて免除されるケースもあります。

このように、帰化申請の条件が緩和されるケースを「簡易帰化」といいます。

帰化条件の緩和には、日本人と結婚しているかがポイントになる

冒頭で説明しました通り「普通帰化」は、日本人と結婚している場合は該当せず、その場合は「簡易帰化」で申請するようになります。

帰化の手続きでは、この【日本人と結婚しているかどうか?】がポイントになります。

ここで、「簡易帰化」について確認しておきましょう。

帰化条件が緩和される「簡易帰化」とは?

「簡易帰化」は、簡単に言うと「普通帰化」の7つの条件が緩和されるメリットがあります。

緩和される対象者は、以下の通りです。

例えば、「普通帰化」を申請した外国人夫婦のうち、夫は許可となり、妻が不許可となったとします。この場合、夫は許可となったので日本国籍を取得し日本人として認められたことになります。

よって不許可となった妻は、自動的に「簡易帰化」の対象者である【日本人の配偶者である】ことになります。したがって、一旦は不許可となった妻は、「簡易帰化」の申請で帰化が認められることになります。

「簡易帰化」は、一定の条件を満たしていれば、帰化条件のハードルが下がる帰化申請の方法のひとつです。

では、「簡易帰化」の対象者と具体的な条件は何なのか?確認していきましょう。

「簡易帰化」では帰化条件の「住所要件」「能力要件」「生計要件」のいずれかが緩和されるようになります。

以下の表に、簡単にまとめてみました。

簡易帰化の帰化条件一覧表

 簡易帰化の条件緩和される帰化条件
日本生まれ日本で生まれて3年以上日本に住んでいる人住居要件
日本生まれの実父または実母である人住居要件
日本生まれで出生時から無国籍である人住居要件・能力要件・生計要件
日本人の配偶者日本人の配偶者である外国人で、引き続き3年以上日本に住んでいて住所がある人住居要件・能力要件
日本人の配偶者で婚姻から3年以上経過し、1年以上日本に住所がある人住居要件・能力要件
日本人の子供外国に帰化している元日本人の子供で、引き続き3年以上日本に住んでいる人住居要件
日本に帰化した元外国籍の子供で、日本に住所がある人住居要件・能力要件・生計要件
日本人として出生して外国に帰化して一度は日本国籍を喪失した人で、日本に住所がある人住居要件・能力要件・生計要件
日本人の養子日本人の養子で、引き続き1年以上日本に住所を持ち、かつ、養子縁組の時に未成年であった人住居要件・能力要件・生計要件

 簡易帰化の対象者は?

「簡易帰化」で帰化申請できるのは、主に以下の対象者があげられます。

簡易帰化の要件 ~帰化条件はどうなる?~

「簡易帰化」の要件は、大きく分けて、以下のケースに分類できます。

帰化条件で緩和されるもの

  • 居住要件が緩和されるケース
  • 居住要件、能力(年齢)要件が緩和されるケース
  • 居住要件、能力要件、生計要件が緩和されるケース

では、具体的な「簡易帰化」の要件について、ケース別に確認していきましょう。

日本生まれである

両親が二人とも日本在住の外国人で、その子供として生まれた人が対象です。

日本人生まれである条件には3つのパターンがあります。

日本で生まれて3年以上日本に住んでいる人

日本で生まれた外国籍の方が該当します。

例)在日韓国人・朝鮮人(特別永住者)の方が帰化を希望する場合、住居要件が緩和されます。

日本生まれの実父または実母である人

日本で生まれた両親の子供が該当します。

例)在日韓国人・朝鮮人(特別永住者)の方が帰化を希望する場合、住居要件が緩和されます。

日本生まれで出生時から無国籍でである人

何らかの理由により、無国籍の状態である方が該当します。

例)両親の母国の法律の関係で、子供が両親のどちらの国籍も取得できなかった場合、住所要件・能力要件・生計要件が緩和されます。

日本人の配偶者である

日本人と結婚している人が対象です。

日本人の配偶者である条件には2つのパターンがあります。

日本人の配偶者である外国人で引き続き3年以上日本に住んでいて住所がある人

結婚している期間に関しては、帰化条件では問われていないため、結婚1年目でも対象として認められます。

例)日本に就労や留学するために来日して日本人と出会い、結婚して3年以上経っている場合、住所要件・能力要件が緩和されます。

日本人の配偶者で婚姻から3年以上経過し、1年以上日本に住所がある人

結婚している期間は3年以上であることが問われていますが、その代わり日本の滞在期間が3年ではなく1年でも大丈夫です。

例)婚姻期間が3年で、そのうち海外暮らしが2年、日本で1年以上住んでいる場合、住所要件・能力要件が緩和されます。

なお、日本人と結婚していても緩和が認められないケースとして、事実婚や同性婚は対象外となります。

日本人の子供である

日本人の子供として生まれている人が対象です。

日本人の子供として生まれる条件には3つのパターンがあります。

外国に帰化している元日本人の子供で、引き続き3年以上日本に住んでいる人

外国に帰化している元日本人の子供が該当します。

例)親が外国で帰化したが、その子供は、日本国籍を取得して日本で生活したいと希望している場合、住所要件が緩和されます。

日本に帰化した元外国籍の子供で、日本に住所がある人

日本に帰化した元外国人の子供が該当します。

例)外国人の両親が日本に帰化しその子供が後から帰化したいと希望している場合

例)国際結婚した日本人の子供が、国籍選択で日本国籍を選ばず、後になってから日本に帰化を希望する場合、住所要件・能力要件・生計要件が緩和されます。

日本人として出生し外国に帰化して一度は日本国籍を喪失した人で日本に住所がある人

日本で生まれて外国に帰化した元日本人の方が該当します。

例)一度は日本国籍を喪失したが、もう一度日本国籍を取得するために帰化を希望する場合、住所要件・能力要件・生計要件が緩和されます。

なお、日本人の子供としての条件に該当する場合は、20歳未満でも帰化申請できます。

日本人の養子である

日本人の養子となる人が対象です。

日本人の養子となる人の条件には以下のパターンがあります。

例)外国人の親が日本人と結婚して、未成年の時に養子縁組をした連れ子、または、日本人夫婦が海外から養子を取って、日本に住んで1年以上経ったという場合、住所要件・能力要件・生計要件が緩和されます。

帰化条件と簡易帰化の要件についてのまとめ

帰化申請では、7つの条件にそって審査されます。帰化の条件は、個々のケースによって譲歩される場合もあり、条件が緩和される「簡易帰化」で申請することもできます。

帰化条件は、申請者の状況によって多様なケースがあるため、専門家のアドバイスを受けながら、適切な手続きを行っていきましょう。

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