
三輪美幸
行政書士法人GOALのVISAチームリーダー。これまでの豊富なビザ申請経験をもとに、日本で暮らしたい外国人の皆様向けに、日々のお困りごとを解決できるよう寄り添った記事を執筆するよう心がけています!
[身分系ビザ]
目次
「日本人の配偶者等」の在留資格は、その名の通り日本人配偶者との婚姻関係に基づいています。そのため、離婚によって婚姻関係が解消されると、この在留資格の要件を満たさなくなります。日本での在留を続けるためには、ご自身の状況に合った別の在留資格への変更が必要となります。離婚後のキャリアや学歴、家族状況などを考慮し、どのような在留資格に変更できるかを検討することが重要です。
本記事では、配偶者ビザを有する外国人の国際離婚後の在留資格はどうなるのか、解説していきます。
「配偶者ビザ」を取得するには、法的な婚姻関係が成立していることが要件となっています。配偶者ビザの申請の前に日本人配偶者と婚姻手続きを済ませることで、配偶者ビザの申請要件を満たします。
このように、「配偶者ビザ」では、日本人配偶者との婚姻関係が重要な審査項目となるため、離婚して日本人配偶者との婚姻関係がなくなれば、外国人の方は今後、ご本人の状況に応じた別の在留許可に変更することが必要となります。
つまり、日本人と離婚した外国人の方は、離婚後の状況やこれまでの経歴、お仕事の状況などを整理して、新たに他の在留資格に変更することができるか検討する必要があります。
「配偶者ビザ」で在留する外国人の方が離婚した場合、14日以内に離婚した事実を出入国在留管理庁に届け出る必要があります。なお、日本人配偶者と『死別』した場合も同様に、出入国在留管理庁に届け出る必要があります。
在留カード番号や離婚の報告を怠った場合は、罰則が科せられることや、在留状況が良くない事実が記録として残るため、次回、在留資格を申請する際に不利になる可能性が高くなります。
また、虚偽の届出をした者は、強制退去の対象となる場合もありますので、離婚後は早めに手続きを済ませるようにしましょう。
・正当な理由なしで届出をしなかった場合:20万円以下の罰金(19条の16第3号)・虚偽の届出をした場合:1年以下の懲役または20万円以下の罰金
離婚した後に、配偶者ビザの在留期間が残っていても、6ヶ月以内に他の在留資格に変更する必要があります。6ヶ月間が過ぎると在留資格取消しの対象となります。
入管法では、第22条の4で在留資格の取り消しについて、以下のように定められています。(一部記載方法を変更しています)
「日本人の配偶者等」の在留資格をもって在留する者(日本人の子及び特別養子を除く。)又は「永住者の配偶者等」の在留資格をもって在留する者(永住者等の子を除く。)が、その配偶者としての活動を継続して6か月以上行っていない場合。(ただし、当該活動を行わないで在留していることにつき正当な理由がある場合を除きます。)
在留資格の取消し(入管法第22条の4)
上記の【正当な理由】については、以下の例が該当します。やむ得ない事情を考慮して免除されるケースがあります。
14日以内に離婚した事実を出入国在留管理庁に報告した後、継続して日本に住み続けるためには、他の在留資格を取得する必要があります。
・就労ビザへ変更する
・留学ビザへ変更する
・定住者ビザへ変更する
各種、在留資格の要件となる学歴や職歴、経験やスキルなどが該当すれば、「就労ビザ」に変更することができます。
「就労ビザ」で在留できない場合には、日本の大学や専門学校へ入学して「留学ビザ」へ在留資格を変更することも可能です。
また、「留学ビザ」で在留している間に【資格外活動許可】を取得すれば、アルバイトを行うことができます。ただし、「留学ビザ」でアルバイトをする場合は、法律で定められた週28時間以内の労働時間で活動する必要があります。
資格外活動許可:
留学や家族滞在など就労が認められていない在留資格で在留する外国人が、在留資格活動以外にアルバイトなど収入を伴う活動を行う場合に事前に許可が必要となります。
以下の要件に該当した場合は、「定住ビザ」に変更することができる可能性があります。「定住者ビザ」には就労制限がないため、従事する職業は自由に選ぶことができます。
上記のうち、いずれかに該当する場合で、かつ次の要件も満たしている場合に定住者ビザへの変更が認められる可能性が高くなります。
・在留資格変更許可申請書
・写真(縦4cm×横3cm)
・前配偶者(日本人)の方の戸籍謄本
・申請人の住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの)
・申請人の在職証明書
・日本在住身元保証人からの身元保証書
・身元保証人の住民票
・申請人の住民票(世帯全員の記載のあるもの)
・申請人に日本国籍子の親権者であることが判るもの(離婚協議書など)
・パスポート 提示
・在留カード 提示
※上記は提出書類の一部です。個別状況により他の書類に提出も求められます。
※許可が成されれば手数料6千円の収入印紙
日本人と離婚する際に未成年の子供がいる場合、親権をどちらが持つかが重要になります。日本では、離婚時に単独親権となるため、夫婦のどちらか一方が親権者となります。親権を持つ外国人配偶者は、「定住者」への在留資格変更を申請できる可能性が開かれます。これは、日本人の実子を養育することを目的とした在留が認められる場合があるためです。しかし、親権者が日本人配偶者となった場合は、この通達による在留資格変更申請はできません。
日本人配偶者と離婚して、別の日本人と再婚する場合は、そのまま「配偶者ビザ」で更新を行うことが可能です。ただし、日本人配偶者が他者に変わっているため、手続きの名称は「更新手続き」ですが、実際は新規の申請とほぼ同様になります。
また、日本人と再婚する際は、申請のタイミングが、前回の離婚から100日を経過していることが必要です。
再婚禁止期間:女性が前回の離婚から再婚することができない100日間の待婚期間。
民法733条の規定
・在留期間更新許可申請書
・写真(縦4cm×横3cm)
・配偶者(日本人)の方の戸籍謄本
・申請人の国籍国(外国)の機関から発行された結婚証明書
・配偶者(日本人)の方の住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの)
・配偶者(日本人)の方の身元保証書
・夫婦の住民票(世帯全員の記載のあるもの)
・質問書
・スナップ写真(夫婦で写っており,容姿がはっきり確認できるもの)
・パスポート 提示
・在留カード(短期滞在が以外の方) 提示
※上記は提出書類の一部です。個別状況により他の書類に提出も求められます。
※許可が成されれば手数料6千円の収入印紙
離婚して「配偶者ビザ」から他の在留資格に変更する際、注意したい点について確認しておきましょう。
・現在取得している「配偶者ビザ」は、就労活動に制限はありませんが、「就労ビザ」に変更した場合は、各種定められた就労範囲で活動を行うことになります。「配偶者ビザ」では自由に職業を選ぶことができましたが、「就労ビザ」では、決まった活動のみで日本に在留するようになります。
・ 「定住者ビザ」に変更する際は、身元保証人が必要となります。「配偶者ビザ」の身元保証人は、自分の夫や妻が身元保証人となっていましたが、「定住者ビザ」の身元保証人は、原則として定職に就いていて一定以上の収入を得ている日本人または永住者の身元保証人が必要となります。
・ 日本人配偶者との離婚の理由が、家庭内暴力(DV)や・浮気・ギャンブルによる借金などの場合は、その詳細についても立証していく必要があります。これらの理由の場合は、提示する方法や説明によっては認められない場合もあるため、行政書士への相談をおすすめします。
配偶者ビザで在留する外国人の方が離婚した場合は、出入国在留管理庁に14日以内に離婚の報告を行い、日本に継続して住みたい場合は、6ヶ月以内に「配偶者ビザ」から他の在留資格に変更が必要です。離婚した場合、日本に在留するための条件が変わっているため、改めてご自分の状況を整理しておくことをおすすめします。なお、離婚後に即帰国しなくてはならないような義務はありませんので、定められた期限までに手続きを行っていきましょう。
A. 詳細はこちらの記事をご覧ください。
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