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[身分系ビザ]

在留特別許可とは?

  • 投稿:2024年10月16日
  • 更新:2025年07月15日
在留特別許可とは?

退去強制の外国人は、本来ならばペナルティとして本国へ帰される対象となりますが、法務大臣の判断によって「在留特別許可」が与えられると継続して日本に在留できるケースもあります。
本記事では、退去強制手続における「在留特別許可」について解説します。

退去強制の外国人は、本来ならばペナルティとして本国へ帰される対象となりますが、法務大臣の判断によって「在留特別許可」が与えられると継続して日本に在留できるケースもあります。

本記事では、退去強制手続における「在留特別許可」について解説します。

在留特別許可とは

「在留特別許可」とは、本来は退去強制される外国人に対して法務大臣が特別に与える在留許可です。

退去強制では、以下のケースの外国人が対象となります。

不法入国:有効なパスポートを所持せずに不法で入国する
不法残留:在留期間を過ぎた後も日本に在留している
犯罪歴:法令違反による有罪判決、懲役または禁錮刑を受けたことがある

上記の強制退去事由に該当する外国人は、出入国在留管理庁に出頭申告すると強制退去手続きにおいて違反調査が行われます。

違反調査による審査結果で、在留特別許可が認められた場合は、日本に引き続き在留することができて、不許可となれば退去強制となります。

在留特別許可・退去強制の手続きの流れは以下の通りです。

1. 出頭申告する
2. 入国警備官による違反審査が行われる
3. 入国審査官による違反審査が行われる
4. 特別審理官による口頭審理が行われる
5. 法務大臣による裁決がおこなわれて在留特別許可または退去強制が決まる

在留特別許可・退去強制の手続きについてさらに詳しく知りたい方はお気軽にお問い合わせください。
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在留特別許可件数の推移

では、実際に「在留特別許可」は、どのくらいの件数が認められているのか?法務省が公表するデータより確認しておきましょう。

『外国人の退去強制手続業務の状況(法務省)』によりますと、在留特別許可の件数の推移は以下の数値となっています。

令和4年1月1日現在の不法残留者数は、6万6,759人です。そのうち退去強制事由に該当しているが「特別な事情」を抱えている外国人には在留特別許可が下りています。

許可件数は、総数から見ても厳格な審査が行われていることが読み取ることができます。

また、退去強制事由については、不法残留の場合は許可されるケースが若干多く、刑罰や法違反であっても、「特別な事情」が認められた場合のみ許可されるケースもあるようです。

在留特別許可件数で多い国籍・地域別では、2019年では以下の通りとなっています。

  • フィリピン411件(28.4%)
  • 中国242件(16.7%)
  • 韓国・朝鮮108件(7.5%)
  • ベトナム76件(5.2%)
  • タイ62件(4.3%)

在留特別許可の4つの判断ポイント

在留特別許可は、最終的に(許可/不許可)の決定を行っているのは法務大臣です。入管法の第50条により、以下の4つ項目に該当する外国人は、法務大臣の判断により在留を特別に許可することができるとなっています。

1. 永住許可を受けている
2. かつて日本国民として日本に本籍を有したことがある
3. 人身取引等により他人の支配下に置かれ日本に在留するものである
4. 法務大臣が特別に在留を許可すべき事情があると認める

以上の4項目のうち、退去強制される外国人に対して判断されるのは4番目の『法務大臣が特別に在留を許可すべき事情があると認める』になります。

法務大臣が最終的に判断するために考慮されるポイントは、『在留特別許可のガイドライン』に定められています。

在留特別許可の審査基準は?

「在留特別許可」の審査では明確な基準はありませんが、出入国在留管理庁の『在留特別許可のガイドライン』では、許否判断の考慮事項として「積極要素」「消極要素」があげられています。

また、以下のポイントを考慮して総合的に判断されるとなっています。

  • 在留を希望する理由
  • 家族状況
  • 素行
  • 内外の諸情勢
  • 人道的な配慮の必要性
  • 我が国における不法滞在者に与える影響

在留特別許可の積極要素とは?

『在留特別許可のガイドライン』による「積極要素」で考慮される項目は、以下の通りです。

例えば、オーバーステイの外国人が、日本人と結婚して配偶者ビザの取得を希望する際は、3 番目の『日本人、または特別永住者と婚姻が法的に成立している場合』に該当し、判断項目として考慮されるようになります。

1.日本人の子ども、または特別永住者の子どもであること

2.日本人、または特別永住者との間に出生した実子を扶養している場合で、かつ以下に該当すること

  • 未成年かつ未婚であること
  • 子の親権を現に有していること 
  • 相当期間で同居していて監護と養育していること

3 .日本人、または特別永住者と婚姻が法的に成立している場合で、かつ以下に該当すること

  • 夫婦として相当期間共同生活をし,相互に協力して扶助していること
  • 夫婦の間に子どもがいるなど,婚姻が安定かつ成熟していること

4.日本の初等・中等教育機関に在学し、相当期間日本に在住している実子と同居して監護と養育していること

5.難病等により日本での治療を必要としていること。または、このような治療を要する親族の看護が必要であること

6.不法滞在者であることを申告するために、自ら、出入国在留管理庁に出頭したこと

7.日本での滞在期間が長く、日本への定着性が認められること

8 .人道的配慮を必要とするなど特別な事情があること

在留特別許可の消極要素とは?

『在留特別許可のガイドライン』による「消極要素」に判断される項目は、以下の通りです。

1. 重大犯罪等により刑に処せられたことがあること
2. 入管法違反または反社会性の高い違反をしていること
3. 船舶による密航、偽造旅券等、在留資格を偽装して不正に入国したこと
4. 過去に退去強制手続を受けたことがあること
5. 刑罰法令違反または、これに準ずる素行不良が認められること
6. 在留状況に問題があること

在留特別許可の積極要素と消極要素の判断

以上にあげた在留特別許可の「積極要素」と「消極要素」については、「積極要素」として考慮すべき事情が明らかに「消極要素」より上回る場合は、在留特別許可される可能性が高くなります。

また、もし「消極要素」がひとつあったから不許可になる、または「積極要素」がひとつあるから許可されるということではなく、外国人の状況を踏まえて総合的に審査されています。

在留特別許可されやすい事例

在留特別許可されやすい外国人は、以下のケースがあげられます。

・日本人、または特別永住者の子どもで,法令違反がないなど在留の状況に問題がないこと
・ 日本人、または特別永住者と婚姻していて、法令違反がないなど在留の状況に問題がないこと
・10年以上にわたって日本人の子供を養っていて、法令違反がないなど在留の状況に問題がないこと
・日本に長期間在住していて、出入国在留管理庁へ自ら出頭申告し、法令違反がないなど在留の状況に問題がないこと

在留特別許可されにくい事例

退去強制と判断される外国人は、以下のケースがあげられます。

・日本で20年以上在住し定着性があっても、 不法就労助長罪、集団密航に係る罪、パスポート等の不正交付等の罪など、または、反社会性 の高い違反をしていること 
・ 日本人と婚姻していても、売春あっせん行為などで日本の社会秩序を乱していること

在留特別許可された後は?

「在留特別許可」を与えられた場合、外国人は相応の在留資格を取得することができます。

例えば、日本人または永住者と結婚している外国人は、「日本人の配偶者等」または「永住者の配偶者等」の申請ができるようになります。

日本での活動が認められるために「在留資格認定証明書交付申請」を行う流れとなります。

「在留特別許可」を与えられた後の手続きについて詳しく知りたい方はお気軽にお問い合わせください。
お問い合わせはこちら

まとめ

「在留特別許可」は、外国人の状況と事情を考慮して、日本に在留し続けることが許可される制度です。

何らかの事情によって在留を希望する外国人にとっては、前向きになれる配慮が備わっています。ただし、本来ならば退去強制の該当となるため審査は厳しく行われます。

「在留特別許可」は、通常の在留資格の申請とは異なり、厳しい取り調べと審査が行われるため、不法滞在(オーバーステイ)に係わる問題がある外国人の方は、行政書士のサポートがあると良いでしょう。

「在留特別許可」についてお困りの方は、行政書士法人GOALがサポートいたします。

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