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イギリス人との国際結婚におけるビザの手続きについて

  • 投稿:2024年12月20日
  • 更新:2025年09月08日
イギリス人との国際結婚におけるビザの手続きについて

イギリス人パートナーとの国際結婚は、日本とイギリス両国の法律に基づいた手続きが必要です。
結婚手続きを日本で先に行うか、イギリスで先に行うかによって手順や必要書類が大きく異なります。また、結婚後にイギリスで生活するためには、配偶者ビザの取得が不可欠であり、これには厳しい収入要件や英語能力の証明などが求められます。

本記事では、結婚手続きからビザ申請の流れ、さらには結婚生活における注意点までを網羅的に解説します。

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イギリス人との結婚手続きについて

イギリス人と国際婚姻を法的に成立させるには、日本で先に行う「日本方式」と、イギリスで先に行う「イギリス方式」の2通りの方法があります。どちらの国で手続きを始めるかによって、全体の流れと必要書類、所要時間が変わるため、2人の状況に合わせて最適な方法を選択することが重要です。日本方式は比較的簡潔ですが、イギリス方式はビザの取得が必要になるなど、より複雑な手順を踏むことになります。

日本で結婚手続きをする場合

日本で先に結婚手続きを行う場合、まずイギリス人パートナーが駐日英国大使館で「婚姻要件具備証明書(CNI)」を取得します。この証明書は、イギリスの法律上、結婚することに障害がないことを証明するものです。CNIが発行された後、日本の市区町村役場に婚姻届やその他の必要書類を提出することで、日本の法律に基づいた婚姻が成立します。この手続きが完了すると、イギリスの法律上でも有効な結婚として扱われるため、改めてイギリスで手続きを行う必要はありません。

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1. 駐日英国大使館での申請手続き

駐日英国大使館で婚姻要件具備証明書(Certificate of No Impediment, CNI)の取得を希望する場合、現在大使館ではCNIではなく宣誓供述書を発行しています。宣誓供述書を取得するには、まず駐日英国大使館のウェブサイトからオンラインで申請を行い、必要書類をアップロードし、手数料を支払います。その後、予約した日時にイギリス人パートナー本人が大使館へ出向き、領事職員の面前で署名・宣誓を行う必要があります。日本人パートナーの同行は必須ではありません。宣誓供述書取得後の公示期間は21営業日です。日本人パートナーの戸籍謄本は、日本の市役所に婚姻届を提出する際に必要となる書類であり、駐日英国大使館での宣誓供述書取得の際には必須ではありません。必要書類は変更されることがあるため、駐日英国大使館のホームページで事前に確認することが推奨されます。

2. 日本の市区町村役場での婚姻手続き

駐日英国大使館で婚姻要件具備証明書(CNI)を取得したら、日本の市区町村役場で婚姻届を提出します。提出する書類は、婚姻届、イギリス人パートナーのCNIとその日本語訳、パスポートとその日本語訳、そして日本人パートナーの戸籍謄本(本籍地以外で届出する場合)と本人確認書類です。書類に不備がなければ、婚姻届は受理され、日本の法律上で正式に婚姻が成立します。これにより、両国において法的に有効な夫婦として認められます。

イギリスで結婚手続きをする場合

イギリスで先に結婚手続きを行う方法は、日本で手続きするよりも手順が複雑で時間を要します。
まず、日本人がイギリスで結婚式を挙げるための適切なビザ(結婚訪問ビザなど)を取得しなければなりません。その後、日本で婚姻要件具備証明書を取得し、イギリス国内の登記所で結婚の予告通知を行います。28日間の公示期間を経て結婚が許可されると、登記所などで結婚式を執り行い、法的に婚姻が成立します。最終的に、その婚姻の事実を日本の大使館や役所に報告する必要があります。

1. 日本人配偶者が結婚訪問ビザを取得

日本人がイギリスで結婚式を挙げるには、観光目的の短期滞在ではなく、専用のビザ取得が不可欠です。結婚後に一度日本へ帰国する場合は「結婚訪問ビザ(Marriage Visitor visa)」を申請します。このビザはイギリスでの結婚式を許可するものですが、その後の滞在や居住は認められません。

一方、結婚後そのままイギリスに住むことを計画している場合は、「婚約者ビザ(Fiancé(e) visa)」を申請する必要があります。このビザで入国し、有効期間内に結婚手続きを完了させた後、国内で配偶者ビザに切り替える流れになります。

2. 日本で婚姻要件具備証明書を取得

イギリスで結婚手続きを進めるにあたり、日本人パートナーは自身が日本の法律上、結婚できる状態であることを証明する「婚姻要件具備証明書」を準備します。この証明書は、日本の法務局や地方法務局で取得可能です。申請には戸籍謄本などの書類が必要となります。また、イギリスに渡航後、在イギリス日本国大使館や総領事館でも申請できます。イギリスの登記所に提出する際は、証明書の原本に加えて、公的な資格を持つ翻訳者による英訳文を添付することが求められます。

3. 専門の役所で結婚の予告通知

イギリスに到着後、結婚式の29日以上前に、指定された登記所で結婚の「予告通知」を行います。この手続きは、カップルの両者が7日間以上居住している地域の登記所にて、2人揃って行う必要があります。その際、パスポート、イギリス滞在を許可するビザ、住所を証明する書類、そして婚姻要件具備証明書などを提出します。通知は28日間公開され、この期間に法的な異議がなければ結婚が許可されます。

4. 結婚式を挙げる

日本の婚姻手続きでは、婚姻届を役所に提出することで結婚が成立します。婚姻届には、成年の証人2名の署名が必要です。婚姻届が受理されると、婚姻の事実が戸籍に記載され、希望に応じて婚姻受理証明書が発行されます。結婚式は、役所以外にもホテルや歴史的建造物などで執り行うことが可能ですが、その場所が婚姻の法的有効性に直接影響することはありません。

5. 在イギリス日本大使館または日本の市区町村役場で婚姻を報告

イギリスで法的に婚姻が成立した後、日本の戸籍にもその事実を反映させるため、3ヶ月以内に報告的な届出を行う義務があります。手続きは、在イギリス日本国大使館・総領事館に必要書類を提出するか、日本に帰国してから市区町村役場に提出するかのいずれかの方法で行います。必要書類は、婚姻届、イギリスの婚姻証明書とその日本語訳、両名のパスポート、そして日本人パートナーの戸籍謄本などです。この届出をもって、日本の法律上でも正式な夫婦として記録されます。

イギリスの配偶者ビザ申請について

イギリス人パートナーと結婚し、共にイギリスで生活するためには、配偶者ビザの取得が必須です。このビザは、法的な婚姻関係を証明するだけでなく、スポンサーとなるパートナーの収入が一定基準を満たしていることや、申請者本人に規定レベル以上の英語能力があることなど、複数の厳しい条件をクリアしなければなりません。申請は複雑で時間も要するため、条件や手続きの流れを正確に理解し、入念に準備を進めることが求められます。

配偶者ビザとは

イギリスの配偶者ビザ(Spouse Visa)は、イギリス国籍者またはイギリス永住権保持者のパートナーが、イギリスで6ヶ月を超えて共に生活するために申請する滞在許可です。

正式には「Family visa」のカテゴリーの一つで、取得するとイギリスでの就労や就学が原則として可能になります。初回の滞在許可期間は通常2年9ヶ月で、延長申請を経て合計5年間イギリスに滞在すると、永住権(Indefinite Leave to Remain)の申請資格を得られる可能性があります。取得には厳格な審査基準が設けられています。

配偶者ビザについての詳細

配偶者ビザの申請条件

配偶者ビザを申請するには、いくつかの厳格な要件を満たす必要があります。まず、申請者とスポンサー(イギリス人パートナー)が共に18歳以上であり、法的に有効な結婚をしていることが大前提です。その上で、二人の関係が偽装ではなく、真実かつ継続的なものであることを証明しなければなりません。経済的要件として、スポンサー側には政府が定める最低収入額以上の年収があることの証明が求められます。

さらに、申請者本人は、CEFRのA1レベル以上の英語能力があることを、認定されたテストで証明する必要があります。

配偶者ビザの申請手続きの流れ

配偶者ビザの申請手続きは、現在の居住地によって異なります。

日本に住んでいる場合は、英国政府のウェブサイトからオンラインで申請します。その後、東京または大阪にある英国ビザ申請センターで、指紋や顔写真などの生体情報を提供する必要があります。この手続きは事前予約が必要です。

一方、すでに有効な学生ビザや就労ビザなどでイギリスに滞在している場合は、滞在許可が切れる前にイギリス国内から配偶者ビザへの切り替え申請が可能です。 この場合も、申請書類はオンラインで提出するのが一般的です。

日本で暮らす場合

イギリス人パートナーが日本で生活する場合は、イギリスのビザではなく、日本の在留資格である「日本人の配偶者等」を取得する必要があります。この申請は、日本の出入国在留管理局に対して行います。申請にあたっては、日本人パートナーが身元保証人となり、日本での生活を経済的に支えられる安定した収入があることを証明することが重要です。

戸籍謄本や婚姻を証明する書類のほか、所得証明書や納税証明書、質問書、身元保証書などを提出し、審査を受けます。手続きは日本の法律と規定に基づいて進められます。

イギリスで暮らす場合

日本からイギリスの配偶者ビザを申請する場合、手続きはすべてオンラインで開始します。英国政府の公式サイト(GOV.UK)でアカウントを作成し、詳細な申請フォームを入力します。入力完了後、ビザ申請料金とIHS(Immigration Health Surcharge:国民保健サービス加入料)をオンラインで支払います。支払いが完了すると、ビザ申請センターの予約が可能になります。予約日にセンターへ出向き、パスポートを提出し、指紋採取と顔写真撮影を含む生体認証情報の登録を行います。必要書類は事前にオンラインでアップロードします。

配偶者ビザ申請の必要書類

配偶者ビザの申請には、多岐にわたる証明書類を不備なく揃えることが極めて重要です。主なものとして、申請者とスポンサー両名の有効なパスポート、婚姻証明書、スポンサーの収入を証明する過去6ヶ月分の給与明細と銀行取引明細書、2人が同居するための住居があることを示す証明(賃貸契約書など)が挙げられます。さらに、2人の関係が本物であることを示すための写真やメッセージのやり取り、通話記録なども重要な補足資料となります。

ビザの審査期間と費用

イギリスの配偶者ビザの審査期間は、申請のタイミングや国内外からの申請かによって変動します。英国外からの標準的な申請の場合、通常24週間以内(約6ヶ月)に決定が出されます。追加料金を支払うことで審査を早める優先サービス(Priority Service)を利用できる場合もあります。このサービスを利用すると、英国内からの申請では通常5営業日以内、英国外からのファミリービザ申請では30営業日以内に決定が出されることが多いです。 また、さらに迅速な審査を希望する場合は、翌営業日までに決定が出るスーパー優先サービス(Super Priority Service)も利用可能です。

費用は、ビザ申請料金に加え、IHS(Immigration Health Surcharge)の支払いが必要です。 IHSは滞在許可年数分を一括で支払うため、総額は数十万円と高額になることがあります。例えば、2年半の婚姻ビザ申請の場合、IHSとして£1560ポンドが必要となります。

申請料金やIHSの金額は定期的に改定されるため、申請時点での最新情報を確認してください。

ビザ審査で重視されるポイント

配偶者ビザの審査では、主に3つの点が重点的に確認されます。第一に、二人の関係の信憑性です。交際期間、コミュニケーションの頻度、共有する将来の計画などを通じて、結婚が偽装ではなく真実のものであることを客観的な証拠で示す必要があります。第二に、安定した生活基盤があることです。スポンサーが規定の年収額を満たしていることを、給与明細や銀行明細書などの指定された書類で正確に証明することが求められます。また、納税状況や犯罪歴なども審査項目に含まれます。

なお、配偶者ビザの審査において、申請者の日本語能力は必須ではありませんが、夫婦間の円滑なコミュニケーションが取れていることが重要視されます。日本語が話せない場合でも、夫婦の共通言語(英語など)で意思疎通ができていれば問題ないとされています。ただし、コミュニケーションが取れていることを証明する書類の提出が求められる場合があります。

不許可になりやすいケースと対策

配偶者ビザが不許可となる主な原因として、収入要件を満たしていないケースが最も多く挙げられます。自営業者の場合や収入が不安定な場合、証明方法が複雑になるため特に注意が必要です。
また、提出書類の不備や矛盾、あるいは2人の関係性を証明する証拠が不十分と判断された場合も不許可につながります。

対策としては、申請要件を細部まで正確に理解し、求められる書類をすべて完璧な形で準備することです。少しでも不安な点があれば、申請前に移民専門の弁護士やアドバイザーに相談することも有効な手段となります。

イギリス人と日本人の結婚に関する注意点

イギリス人との結婚は、単に法的な手続きを終えるだけでなく、文化や法律の違いを理解することが円滑な関係を築く上で重要です。特に、結婚が法的に認められる年齢、結婚後の姓の扱い、そして同性婚に関する法制度など、日本とは異なる点がいくつか存在します。これらの違いを事前に把握しておくことで、将来的な誤解やトラブルを避け、お互いの価値観を尊重しながら新しい生活をスタートさせることができます。

イギリス人の結婚条件について

イギリスで法的に結婚するためには、いくつかの基本的な条件を満たす必要があります。結婚可能な年齢に達していること、当事者双方が独身であること(重婚の禁止)、そして近親者でないことなどが挙げられます。これらの基本的な条件は日本とおおむね共通していますが、結婚可能年齢など一部の規定は、イギリスを構成するイングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの各地域で法律が異なるため、手続きを行う地域での規定を確認することが重要です。

1. 結婚年齢

イギリスにおける結婚可能な年齢は、地域によって異なります。
イングランドとウェールズでは、2023年2月の法改正により、結婚が認められる年齢は18歳に引き上げられました。これにより、16歳や17歳での結婚は親の同意があっても不可能となっています。
一方、スコットランドでは、現在も16歳から親の同意なしに結婚することが可能です。
また、北アイルランドでは、16歳以上であれば親または保護者の同意を得ることで結婚が認められています。
手続きを行う地域の法律を確認することが不可欠です。

2. 未成年者の結婚

イギリスにおける未成年者の結婚に関する扱いは、地域ごとの法律に基づいています。イングランドとウェールズでは、若者を強制結婚から保護する目的で法律が改正され、2023年2月27日以降、18歳未満の者の結婚は、いかなる状況であっても認められなくなりました。これは、たとえ親の同意があったとしても同様です。スコットランドでは、16歳以上であれば結婚が可能ですが、16歳および17歳の未成年者が結婚する際には親権者の同意が必要です。北アイルランドでは、16歳および17歳の結婚には、親権者または裁判所の許可が必要と定められています。

3. 重婚の禁止

イギリスの法律では、重婚は厳しく禁止されており、発覚した場合は刑事罰の対象となる犯罪行為です。結婚を希望する当事者は、双方が法的に独身でなければなりません。過去に婚姻歴がある場合は、前の結婚が離婚または死別によって完全に解消されていることを公的な書類で証明する必要があります。

具体的には、離婚判決の最終証明である「離婚証明書(Decree Absolute)」や、前配偶者の「死亡証明書(Death Certificate)」などを提出することが求められます。

4. 再婚禁止期間

日本の民法では、2024年4月1日に施行された改正民法により、女性に課せられていた離婚後100日間の再婚禁止期間が廃止されました。これにより、女性も離婚後すぐに再婚することが可能です。一方、イギリスの法律には、性別に関わらず離婚後すぐに再婚することを禁止する規定は存在しません。

ただし、これはあくまでイギリスの法律上の話であり、日本で婚姻手続きを行う日本人女性が離婚直後である場合は、日本の民法の規定が適用される可能性があるため、注意が必要です。イギリスで手続きする際は、離婚が成立している証明書の提出が求められます。

5. 結婚後の夫婦の名字

イギリスでは、結婚後の姓の扱いについて非常に柔軟な選択が認められています。夫婦の一方の姓に変更する、2人の姓をハイフンでつなげた複合姓(ダブルバレル姓)にする、あるいは結婚前の姓をそれぞれ名乗り続ける(夫婦別姓)など、様々な形が可能です。

姓を変更した場合、婚姻証明書が法的な証明となり、パスポートや運転免許証、銀行口座などの名義変更を進めます。一方、国際結婚した日本人は、原則として戸籍上の姓は変わりませんが、届出により相手の姓に変更することもできます。

6. イギリスの同性婚事情

イギリスでは同性婚が法的に認められています。2014年にイングランド、ウェールズ、スコットランドで、2020年に北アイルランドでそれぞれ合法化されました。これにより、同性カップルも異性カップルとほぼ同等の権利と義務を持ち、結婚やそれに伴うビザの申請が可能です。ただし、日本の現行法では同性婚は認められていません。そのため、イギリスで同性婚が成立しても、その事実を日本の戸籍に記録することはできず、日本国内での法的な配偶者としての扱いは限定的となります。

まとめ

イギリス人との国際結婚は、日本とイギリスのどちらの国で法的手続きを先行させるかによって、手順が大きく異なります。イギリスで共に生活するためには配偶者ビザの取得が必須となり、これには厳格な収入証明や英語能力の証明など、多くの要件を満たす必要があります。また、結婚後の姓の選択肢が多様である点や、同性婚が合法である点など、日本の制度との相違点を理解することも重要です。手続きは煩雑で時間を要するため、事前の情報収集と計画的な準備が、円滑な結婚への鍵となります。

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