三輪美幸
行政書士法人GOALのVISAチームリーダー。これまでの豊富なビザ申請経験をもとに、日本で暮らしたい外国人の皆様向けに、日々のお困りごとを解決できるよう寄り添った記事を執筆するよう心がけています!
[身分系ビザ]
目次
日本に滞在する外国人にとって、在留カードは身分を証明する重要な公的書類です。このカードに記載されている情報は常に最新の状態に保つ義務があり、特に住所変更は速やかな手続きが求められます。適切な手続きを行うことで、法的な問題を避け、安心して日本での生活を継続できます。
本記事では、在留カードに関する基本的な情報から、住所変更の具体的な手続き方法、必要な書類、そして注意点について詳しく解説します。
※無料相談はこちら
在留カードは、日本に中長期滞在する外国人に対して交付される重要なカードです。これは法務大臣が外国人の在留資格と在留期間を証明する証明書としての役割と、在留資格に係る許可の際に交付される許可証としての役割を併せ持っています。
在留カードとは、日本に中長期的に滞在する外国人(中長期在留者)に対して、上陸許可、在留資格の変更許可、在留期間の更新許可などの在留に係る許可に伴って交付されるカードを指します。このカードは、外国人が日本に60日間以上在留する場合に必要となり、法務大臣が日本に合法的に在留していることを証明する「証明書」としての機能と、在留資格に関する許可の証印に代わる「許可証」としての機能を持っています。
在留カードには、氏名、生年月日、性別、国籍・地域、住居地、在留資格、在留期間、就労の可否など、外国人の在留に関する重要な情報が記載されており、これにより日本での身分を証明することが可能です。また、16歳以上の在留カードには顔写真が表示され、常に最新の情報が反映されるように記載事項に変更が生じた場合には届出が義務付けられています。
※詳細はこちら
在留カードは、日本に90日以上滞在する外国人(中長期在留者)に交付されるものであり、常に携帯する義務があります。外出時には必ず在留カードを携帯し、警察官から提示を求められた際には応じる必要があります。もし在留カードを携帯していなかった場合は20万円以下の罰金が科される可能性があり、提示に応じなかった場合は1年以下の懲役または20万円以下の罰金に処されることがあります。パスポートを携帯していても、在留カードの携帯義務が免除されることはありません。
ただし、特別永住者証明書を交付されている方や16歳未満の方には、在留カードの常時携帯義務が免除されています。在留カードは日本における身分証明書として非常に重要であるため、紛失や盗難に備えてカード番号を控えておくことや、速やかに再発行手続きを行うことが推奨されます。
在留カードの記載事項に変更があった場合、常にカードを最新の情報に更新するために法務大臣への変更届出が必要です。在留カードには、氏名、生年月日、性別、国籍・地域、住居地、在留資格、在留期間、就労の可否などの重要な情報が記載されており、これらの情報に変更が生じた際には、変更の届出をすることが義務付けられています。特に、結婚などにより氏名や生年月日、性別、国籍などが変わった場合は、その変更が生じた日から14日以内に入国管理局へ「在留カード記載事項変更届出書」を提出する必要があります。
住所変更の手続きを行うと、市区町村の窓口で在留カードの裏面に新しい住所が記載されます。住民票の変更と在留カードの住所変更は連動しており、どちらか一方を怠ると問題が生じる可能性があるため、確実に手続きを行うことが重要です。また、転職や起業などで所属機関が変わった場合、あるいは日本人や永住者と結婚・離婚した場合なども、入管法に基づく別の届出が求められるケースがあるため、注意が必要です。これらの変更届出を怠ると、在留資格の更新や変更申請時に不利益を被る可能性があります。
在留カードを紛失したり、盗難に遭ったり、著しく汚損・毀損してしまった場合は、新しい在留カードの再交付を申請する手続きが必要です。この事実を国内で知った場合はその日から14日以内、海外で知った場合は日本に再入国した日から14日以内に出入国在留管理局に申請しなければなりません。再交付の申請に手数料はかかりませんが、証明写真の費用は発生します。
紛失・盗難の場合は、まず最寄りの警察署に遺失届を提出し、「遺失届出証明書」または「遺失届受理証明書」を発行してもらう必要があります。この証明書は再交付申請の際に必要となります。必要書類としては、在留カード再交付申請書、写真1葉、遺失届出証明書などが挙げられます。申請者本人(16歳未満を除く)が出入国在留管理官署で手続きを行うことが原則ですが、16歳未満の場合は顔写真は不要です。汚損や毀損の場合も再交付は可能で、この場合は所持を失ったことを証する資料は不要ですが、在留カード本体を持参する必要があります。紛失以外の個人的な理由で在留カードの交換を希望する場合は、1,600円の手数料がかかることがあります。再交付申請に問題がなければ、原則即日で新しい在留カードを受け取ることができます。
しかし、もし紛失した在留カードが見つかった場合は、新しい在留カードの交付を受けていても、発見から14日以内に古いカードを返納する必要があります。
在留カードを所持する外国人は、中長期在留者でなくなったとき、在留カードの有効期間が満了したとき、または再入国許可を受けて出国し、再入国許可の有効期間内に再入国しなかったときなど、在留カードが失効した場合は失効した日から14日以内に出入国在留管理庁長官に返納する義務があります。例えば、日本国籍を取得したり、永住資格へ変更したり、退職して本国へ帰国する場合などが返納が必要なケースに該当します。本人が死亡した場合は、その親族または同居者が返納しなければなりません。返納は、出国の際に空港や港で出国確認を受けてその場で行うか、または出国後に郵送で行うことも可能です。
郵送で返納する場合は、「在留カード等の返納について(返納届)」という書類を在留カード本体と一緒に送る必要があります。また、紛失や破損などにより新しい在留カードの交付を受けた場合、以前のカードは無効となるため、紛失した旧カードが見つかった場合も発見から14日以内に返納が必要です。この返納義務を怠ると、20万円以下の罰金が科されることがあります。正確な出入国記録を残し、失効したカードの悪用を防ぐためにも、速やかな返納が求められます。
※無料相談はこちら
在留カードを持つ外国人が引っ越しをする場合、住所変更の手続きは不可欠です。在留カードに記載された住居地(住所)は常に最新の状態に保つ必要があり、これを怠ると法的な罰則が科される可能性があります。住所変更の手続きは、引っ越し先の市区町村役場で行い、新しい住所に移転した日から14日以内に行う義務があります。この手続きは、同じ市区町村内での引っ越しと異なる市区町村への引っ越しで手順が異なりますが、いずれの場合も在留カードと本人確認書類が主要な持ち物となります。
この変更手続きを適切に行うことで、日本での在留資格の維持や将来の更新がスムーズに進むようになります。
※詳細はこちら
日本に在留する外国人が引っ越しをして住所が変わった場合、在留カードの住所変更手続きが必要です。これは、新しい住居地に移転した日から14日以内に、住居地の市区町村の長に対し、在留カードを提出した上で、その新住居地を届け出なければならないと入管法で定められているためです。在留カードに記載されている住居地は、法務大臣が把握する情報の重要部分であり、常に最新の情報が反映されることになっています。
そのため、引っ越しによってカードに記載された情報が実際の居住地と一致しなくなった場合は、変更届の提出を行う必要があります。この手続きを怠ると、在留資格の更新や変更申請時に不利になる可能性があります。
同じ市区町村内で引っ越しをする場合、手続きは比較的簡単です。転居先の市区町村役場にて「転居届」を提出することで、住所変更の手続きが完了します。この手続きは、住民票の移動と同時に行うことができ、在留カードの住所変更も併せて行われます。
届出を行う人は、原則として本人または世帯主ですが、代理人が手続きを行う場合は委任状が必要となります。手数料はかかりません。この場合でも入管への変更届の手続きは義務なので忘れないようにしてください。
同じ市区町村内で引っ越しをした場合、転居届として住所変更を行う期間は、新しい住居地に移転した日から14日以内と規定されています。この期限は法律で定められており、厳守する必要があります。引っ越し後は多忙になることが予想されるため、余裕を持って早めに手続きの準備を進めることが重要です。この期間を過ぎてしまうと、法的な罰則の対象となる可能性もあるため注意が必要です。
同じ市区町村内で住所変更をする際に必要な書類は以下の通りです。まず、「転居届」を準備します。これは市区町村役場の窓口で入手できます。次に、本人確認書類として、住所変更を行う全員分の「在留カード」が必要です。在留カードは、新しい住所が裏面に記載されるため、原本を持参しましょう。その他、国民健康保険に加入している場合は「国民健康保険証」、マイナンバーカードまたは住民基本台帳カードを交付されている場合はそれらも持参します。これらの書類を忘れずに持っていくことで、スムーズに手続きを進めることができます。
異なる市区町村へ引っ越しをする場合、住所変更の手続きは2段階に分かれます。まず、現在住んでいる市区町村の役場で「転出届」を提出し、「転出証明書」を受け取ります。その後、新しい住所地の市区町村役場で「転入届」を提出する際に、この転出証明書と在留カードを提出します。この一連の手続きにより、住民票の移動と在留カードの住所変更が完了します。届出人は本人または世帯主で、代理人による手続きも可能ですが、委任状が必要です。手数料はかかりません。
異なる市区町村へ引っ越しをする場合の住所変更の手続き時期は、転出届と転入届で異なります。転出届は、引っ越しをする前または引っ越しの日から14日以内、つまり新住所に移転する前に手続きを行うことが推奨されます。
一方、転入届は、新しい住居地に移転した日から14日以内に提出する期限が定められています。この期間を過ぎると、過料などの罰則が科される可能性があるため、期限内に手続きを完了させることが非常に重要です。スムーズな手続きのためには、引っ越し前から計画的に準備を進めることをおすすめします。
異なる市区町村へ引っ越しをする際に必要な書類は、転出届と転入届の手続きで異なります。まず、現在住んでいる市区町村で転出届を提出する際は、「住民異動届」と引っ越しする人全員分の「在留カード」が必要です。その後、「転出証明書」が発行されますので、これを受け取ります。次に、新しい住所地の市区町村で転入届を提出する際は、「転入届」、以前住んでいた市区町村で発行された「転出証明書」、そして引っ越しする人全員分の「在留カード」が必須となります。
これらの書類の他に、必要に応じて国民健康保険証、マイナンバーカード、年金手帳などが求められる場合もあるため、事前に役所のウェブサイトなどで確認し、漏れがないように準備しましょう。必要書類に不備があると、手続きがスムーズに進まない可能性があるため、十分な注意が必要です。
在留カードの記載事項は住所だけでなく、氏名、生年月日、性別、国籍・地域にも変更が生じることがあります。これらの情報に変更があった場合も、変更が生じた日から14日以内に出入国在留管理庁へ届出を行う義務があります。届出先は、お住まいの地域を管轄する地方出入国在留管理官署(入管)です。この手続きも手数料はかかりません。届出人本人が手続きを行うことが原則ですが、16歳未満の場合や疾病などで出頭できない場合は、届出人本人と同居する16歳以上の親族が代理人として手続きを行うことが可能です。
また、地方出入国在留管理局長から申請取次の承認を受けている弁護士や行政書士も代理人として手続きを行うことができます。代理人が手続きを行う場合は、委任状や申請人との関係を証明する資料(在留カード裏表のコピー等)が必要です。これらの身分事項の変更の届出を怠ると、在留資格の更新や変更に影響が出る可能性があります。常に最新の情報を届け出て、適切な在留管理に協力することが重要です。
在留カードの記載事項変更、特に住所変更の届出を怠った場合、外国人の方は法的な罰則の対象となる可能性があります。入管法では、住居地の変更届出を怠った者に対して20万円以下の罰金が科されると定められています。また、届出をしなかったり、虚偽の届出をしたりした場合は、在留資格が取り消される恐れもあります。住民基本台帳法においても、正当な理由なく住所の移動届を怠った場合、5万円以下の過料が科される可能性があります。
これらの罰則は、将来的な在留資格の更新や変更申請に影響を与える可能性があり、最悪の場合、不法滞在とみなされるリスクも上昇するため、速やかな手続きが不可欠です。たとえ軽度の遅延であったとしても、適切な在留管理に協力していないと判断され、在留期間更新許可の審査に影響が出ることもあります。在留カードは日本での身分証明書として非常に重要であり、常に最新の情報を反映させておくことが、日本での安定した生活を送る上で極めて大切です。
在日外国人にとって在留カードは日本での身分を証明する重要な公的書類であり、記載事項を最新の状態に保つことは法的な義務です。特に住所変更は、新しい住居地に移転した日から14日以内に市区町村役場で行う必要があり、これを怠ると罰金や在留資格の取り消しなど、さまざまな不利益を被る可能性があります。同じ市区町村内での転居は「転居届」の提出のみで完了し、異なる市区町村への転居は「転出届」と「転入届」の2段階の手続きが必要です。いずれの場合も、在留カードと本人確認書類が必須となります。
住所変更以外の氏名や国籍などの変更についても、14日以内に出入国在留管理庁への届出が求められます。これらの手続きを適切かつ速やかに行うことで、日本での生活を安心して継続し、将来の在留資格更新などにも良い影響をもたらします。
※無料相談はこちら
A. 住所変更の届出を新しい住所に移転した日から14日以内に行わなかった場合、入管法に基づき20万円以下の罰金が科される可能性があります。また、住民基本台帳法により5万円以下の過料が科されることもあります。さらに、在留資格の更新や変更申請時に不利益を被る可能性や、最悪の場合、在留資格が取り消されるリスクもありますので、気づいたらすぐに手続きを行いましょう。
A. はい、代理人が手続きを行うことは可能です。ただし、その場合は本人からの委任状が必要となります。また、16歳未満の在留外国人の場合や、疾病その他の事由により本人が出頭できない場合は、届出人本人と同居する16歳以上の親族が代理人として手続きを行うことができます。弁護士や行政書士も、申請取次の承認を受けていれば代理人となることができます。
A. 在留カードの住所変更は、引っ越し先の市区町村役場で行います。住民票の異動手続き(転入届・転居届)と同時に行われ、在留カードの裏面に新しい住所が記載されます。住居地以外の記載事項(氏名、生年月日、性別、国籍・地域)の変更は、地方出入国在留管理官署(入管)で行います。
A. 在留カードの住所変更手続きに手数料はかかりません。ただし、紛失や汚損による再交付の場合も手数料は無料ですが、紛失以外の個人的な理由で在留カードの交換を希望する場合は手数料が発生することがあります。
A. 在留カードの住所変更が完了したら、新しい住所が裏面に正しく記載されているか確認しましょう。また、運転免許証や銀行口座、クレジットカードなど、住所が登録されている他の公的書類やサービスについても住所変更の手続きを行う必要があります。マイナンバーカードをお持ちの場合は、マイナンバーカードの住所変更も同時に行いましょう。