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[身分系ビザ]

配偶者ビザ申請を自分でする方法|必要書類や流れ、許可のポイント

  • 投稿:2025年11月19日
配偶者ビザ申請を自分でする方法|必要書類や流れ、許可のポイント

目次

国際結婚後、外国人配偶者と日本で暮らすためには、在留資格「日本人の配偶者等」、通称「配偶者ビザ」の取得が必要です。専門家に依頼せず、自分で申請手続きを行うことも可能ですが、そのためには正しい知識と周到な準備が求められます。

本記事では、配偶者ビザの概要から、自分で申請する場合のメリット・デメリット、具体的な手続きの流れ、必要書類、そして審査で許可を得るための重要なポイントまで、網羅的に解説します。

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そもそも配偶者ビザ(在留資格「日本人の配偶者等」)とは?

配偶者ビザとは、正式には「日本人の配偶者等」という在留資格を指します。これは、日本人と法的に婚姻関係にある外国人配偶者が、日本に在留するために必要な資格です。また、日本人の子として出生した者や特別養子もこの資格の対象に含まれます。この在留資格の大きな特徴は、日本での活動に制限がない点です。他の就労ビザのように職種や業種が限定されることなく、原則としてどのような職業にも就くことができ、就労時間の制約もありません。そのため、日本人と同様に自由に働き、生活することが可能となります。

ただし、この資格を取得するためには、出入国在留管理庁による厳格な審査を通過し、婚姻の信憑性や日本での安定した生活基盤を証明する必要があります。

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配偶者ビザを自分で申請する3つのメリット

配偶者ビザの申請を専門家に依頼せず、自分自身で行うことにはいくつかの利点があります。費用を大幅に節約できることに加え、申請プロセスを通じて関連知識を習得できる点や、プライバシーを守れる点も大きなメリットです。

ここでは、自分で申請手続きを進める場合に享受できる主な3つのメリットについて具体的に解説します。これらの点を理解し、専門家への依頼と比較検討することが重要です。

専門家への依頼費用を抑えられる

配偶者ビザ申請を行政書士などの専門家に依頼する場合、一般的に10万円から20万円程度の報酬費用が発生します。この費用は、申請の難易度や夫婦の状況によって変動することがあります。自分で申請手続きを行えば、この専門家への依頼費用を全額節約できるため、経済的な負担を大幅に軽減することが可能です。申請に必要な費用は、在留資格認定証明書交付申請の場合で収入印紙代がかからないなど、実費自体はそれほど高額ではありません。したがって、手続きにかかる時間や労力を自身で捻出できるのであれば、費用面でのメリットは非常に大きいといえます。

申請手続きや関連法規の知識が身につく

申請プロセスを自分自身で経験することにより、出入国管理制度や関連法規に関する実践的な知識が身につきます。必要書類の種類やその意味、申請書の具体的な書き方、審査で重視されるポイントなどを主体的に学ぶことになるため、在留資格制度への理解が深まります。配偶者ビザは一度取得すれば終わりではなく、通常は1年や3年といった在留期間が定められており、その後も在留期間更新許可申請が必要です。

初回の申請で得た知識や経験は、将来の更新手続きや、永住許可申請などを検討する際にも直接役立ち、その後の手続きをスムーズに進めるための基盤となります。

プライベートな情報を第三者に開示する必要がない

配偶者ビザの申請では、夫婦がどのように出会い、交際を経て結婚に至ったかという詳細な経緯を「質問書」などの書類で説明する必要があります。この内容は非常にプライベートな情報を含むため、専門家とはいえ第三者に全てを開示することに抵抗を感じる人もいます。自分で申請を行う場合は、夫婦間のみで情報を共有し、書類を作成することができます。他人に個人的な事情を知られることなく、自分たちのペースで手続きを進められる点は、精神的な安心感につながります。プライバシーを重視する夫婦にとって、これは大きなメリットの一つと考えられます。

配偶者ビザを自分で申請する際の注意点やデメリット

自分で配偶者ビザを申請することにはメリットがある一方で、無視できない注意点やデメリットも存在します。特に、書類準備にかかる膨大な時間と労力、そして申請内容の不備による不許可リスクは大きな課題です。一度不許可になると再申請のハードルが上がるため、安易に自分で進めるのではなく、これらのデメリットを十分に理解した上で慎重に判断することが求められます。

書類の準備に多くの時間と労力がかかる

配偶者ビザの申請には、非常に多くの書類を準備する必要があります。日本人側は戸籍謄本や住民票、課税証明書などを市区町村役場から取得し、外国人側は本国から結婚証明書などを取り寄せなければなりません。

これに加えて、申請書や質問書、身元保証書など、作成すべき書類も多岐にわたります。それぞれの書類の有効期限にも注意が必要で、複数の機関とやり取りをしながら計画的に収集を進める手間は相当なものです。特に、仕事などで日中に時間が取りにくい場合、書類の準備だけで数週間から数ヶ月を要することも珍しくなく、大きな時間的・精神的負担となります。

申請内容に不備があると許可されないリスクがある

配偶者ビザの審査では、提出された書類全体の整合性が厳しくチェックされます。自分で申請する場合、専門家であれば気づくような些細な記載ミスや、説明が不十分な箇所を見落としてしまう可能性があります。例えば、質問書に記載した交際の経緯と、提出した写真やメールの記録との間に矛盾が生じていると、結婚の信憑性を疑われる原因となり得ます。また、必要書類が一つでも欠けている場合は、申請が受理されないか、審査で不利に働くことも考えられます。こうした不備が原因で、本来なら許可されるべき案件が不許可となってしまうリスクが常に伴います。

一度不許可になると再申請の難易度が上がる

配偶者ビザ申請が一度不許可になると、その記録が出入国在留管理庁に残り、再申請の審査は初回よりも格段に厳しくなるのが一般的です。再申請で許可を得るためには、まず前回の不許可理由を正確に把握し、その問題点を解消した上で、それを的確に説明する追加の資料や説明書を用意する必要があります。不許可理由の分析や、それを覆すための立証は専門的な知識を要するため、個人で行うのは非常に困難です。初回の申請で安易に不備のある書類を提出してしまうと、取り返しのつかない状況に陥る可能性があり、結果的に専門家に依頼するよりも多くの時間と労力を費やすことになりかねません。

自分で行う配偶者ビザ申請の5ステップと所要期間

外国人配偶者が海外に在住している場合、日本に呼び寄せるためには「在留資格認定証明書交付申請」という手続きを行います。この手続きは、書類の収集から日本への入国まで、いくつかのステップに分かれています。全体の流れを把握し、各段階で何をすべきかを理解しておくことが、スムーズな申請につながります。一般的に、申請から認定証明書の交付までには1ヶ月から3ヶ月程度の審査期間を要します。

ステップ1:必要書類を収集し申請書を作成する

申請の第一歩は、必要書類の収集と作成から始まります。日本人配偶者は、自身の戸籍謄本や住民票、所得や納税に関する証明書などを準備します。外国人配偶者からは、本国の結婚証明書やパスポートのコピーなどを送ってもらいます。これらの書類が揃ったら、在留資格認定証明書交付申請書や、二人の関係性を説明する質問書、身元保証書などを作成していきます。特に質問書は、出会いから結婚に至る経緯を具体的に記述する必要があり、審査において重要な書類となるため、時間をかけて丁寧に作成することが求められます。すべての書類に不備や矛盾がないか、提出前に確認作業を行います。

ステップ2:管轄の出入国在留管理局で申請手続きを行う

全ての必要書類が整ったら、日本人配偶者の住所地を管轄する地方出入国在留管理局に申請を行います。申請は原則として、日本人配偶者本人が窓口に出向いて行いますが、行政書士などの代理人に依頼することも可能です。窓口では、提出書類が揃っているかどうかの形式的なチェックが行われ、問題がなければ申請が受理されます。申請が受理されると、受付票が渡されるので、これは審査結果が出るまで大切に保管しておきます。なお、申請時には手数料はかかりません。窓口は混雑することが多いため、時間に余裕を持って訪問することが推奨されます。

ステップ3:審査期間を経て在留資格認定証明書を受け取る

申請が受理されると、出入国在留管理庁の審査官による実質的な審査が始まります。この審査期間は、申請内容や時期によって異なりますが、一般的には1ヶ月から3ヶ月程度です。審査の過程で、提出した書類だけでは情報が不十分と判断された場合、追加で資料の提出を求める通知(資料提出通知書)が届くことがあります。審査官からの指示には、迅速かつ的確に対応する必要があります。無事に許可となると、出入国在留管理局から結果通知のハガキが届き、それを持って窓口へ行くと「在留資格認定証明書」が交付されます。

ステップ4:現地の日本大使館・領事館で査証(ビザ)を申請する

日本で交付された在留資格認定証明書の原本を、速やかに海外にいる外国人配偶者へ郵送またはメールします。外国人配偶者は、この証明書と自身のパスポート、申請書、写真など、現地の日本大使館または総領事館が指定する書類を揃えて、査証(ビザ)の発給申請を行います。在留資格認定証明書が添付されている場合、査証発給の審査は比較的スムーズに進み、通常は数日から1週間程度で発給されます。この証明書は、日本での在留資格に関する審査が既に完了していることを証明するものであるため、査証発給手続きを簡略化する役割を果たします。

ステップ5:査証(ビザ)が発給されたら日本へ入国する

査証(ビザ)が発給されると、外国人配偶者のパスポートに査証シールが貼付されます。この査証を受け取ったら、日本への渡航準備を進めます。注意点として、在留資格認定証明書には発行から3ヶ月という有効期限があり、この期間内に日本へ入国しなければ無効となってしまいます。日本に到着した空港または海港では、上陸審査を受けることになります。ここで問題がなければ、パスポートに上陸許可の証印が押され、中長期在留者には「在留カード」が交付されます。この在留カードを受け取った時点から、正式に日本での在留が開始されます。

配偶者ビザ申請で提出が必要な書類の一覧

配偶者ビザの申請には、夫婦双方の身分関係や生活基盤を証明するため、多岐にわたる書類の提出が求められます。必要書類は、日本人側が用意するもの、外国人側が用意するもの、そして夫婦が協力して作成するものに大別されます。個々の状況によって追加で必要となる書類もあるため、出入国在留管理庁のウェブサイトで最新の情報を確認しながら、漏れなく準備することが重要です。

日本人配偶者側が用意すべき書類

日本人配偶者は、自身の身分と経済的な安定性を証明するための書類を準備する責任があります。具体的には、夫婦の婚姻事実が記載された「戸籍謄本」、世帯全員の情報が記載された「住民票」が必要です。経済力を証明するためには、直近1年分の所得と納税状況がわかる「課税証明書」および「納税証明書」を市区町村役場から取得します。また、外国人配偶者の日本での生活を経済的に保証することを示す「身元保証書」の作成も求められます。会社員の場合は「在職証明書」、自営業の場合は「確定申告書の控え」なども、安定した収入を裏付ける資料として有効です。

外国人配偶者側が用意すべき書類

外国人配偶者は、自身の身分を証明するための公的な書類を本国から取り寄せる必要があります。まず、「在留資格認定証明書交付申請書」を作成し、規定のサイズの証明写真を貼付します。また、本国の権限ある機関が発行した「結婚証明書」の原本または写しは必須です。日本語以外の言語で書かれている書類には、必ず日本語の翻訳文を添付しなければなりません。この翻訳は誰が行っても構いませんが、翻訳者の氏名と連絡先を記載する必要があります。その他、有効な「パスポートのコピー」や、学歴や職歴を証明する書類の提出を求められる場合もあります。

夫婦で協力して作成する書類

審査において結婚の信憑性を立証するために、夫婦が協力して作成・準備する書類が極めて重要になります。中心となるのが「質問書」で、出会いのきっかけから交際期間、結婚に至るまでの経緯、お互いの言語でのコミュニケーション方法、両親への紹介の有無などを詳細に記載します。この記述を裏付ける証拠として、二人で写っている「スナップ写真」を複数枚添付します。異なる時期や場所で撮影された写真や、互いの家族と一緒に写っている写真は、交際の信憑性を高める上で効果的です。さらに、日々のやり取りがわかるSNSのトーク履歴や、国際電話の通話記録なども有力な補足資料となります。

審査で重要視される!許可を得るための2つのポイント

配偶者ビザの審査では、提出された書類に基づき、いくつかの重要な点が慎重に判断されます。特に、その結婚が偽装ではなく真実のものであるかという「結婚の信憑性」と、日本で夫婦が経済的に自立して生活していけるかという「生計の安定性」が、許可・不許可を分ける二大要素です。これらのポイントについて、審査官を納得させられるだけの客観的な証拠を提示することが不可欠です。

ポイント1:結婚の信憑性を客観的な証拠で示す

入国管理局は、偽装結婚による不法な在留を防ぐため、結婚の信憑性を最も重視します。申請者が真摯な婚姻関係にあることを証明するためには、主観的な主張だけでなく、客観的な証拠を積み重ねることが重要です。具体的には、質問書において出会いから結婚に至るまでの経緯を時系列に沿って詳細かつ具体的に記述し、矛盾がないように注意します。さらに、その記述を裏付ける証拠として、交際中に撮影した日付のわかるスナップ写真や、日常的なコミュニケーションの記録(SNSの履歴や通話記録など)、親族や友人が二人の関係を証明する申述書などを添付することで、交際の真実性がより強固に立証されます。

ポイント2:日本で安定した夫婦生活が送れる経済力を証明する

結婚が真実のものであっても、夫婦が日本で経済的に自立した生活を送れないと判断された場合、ビザは許可されません。これは、生活保護などの公的な扶助に頼ることなく、安定した生活基盤を築けるかどうかを審査するためです。この経済力を証明する最も重要な書類が、日本人配偶者(または世帯)の課税証明書や納税証明書です。明確な年収の基準額が公表されているわけではありませんが、一般的に年収300万円程度が一つの目安とされています。収入の安定性や継続性も考慮されるため、転職直後や無職の場合は、預貯金の残高証明書や親族からの援助に関する念書などを提出し、生計の維持能力を補足的に説明する必要があります。

自分で申請するのが難しいケースとは?専門家への相談も検討しよう

配偶者ビザの申請は自分で行うことも可能ですが、中には手続きの難易度が格段に上がるケースが存在します。こうした状況では、無理に自分で進めると不許可のリスクを高めてしまう可能性があります。専門家である行政書士に相談すれば、適切なアドバイスや書類作成のサポートを受けられますが、その分費用がかかります。許可の確実性と費用を天秤にかけ、専門家への依頼を検討することも賢明な判断です。

過去に出入国管理法に関する問題があった場合

外国人配偶者が過去にオーバーステイ(不法残留)や不法就労、退去強制処分といった出入国管理法違反の経歴がある場合、審査は極めて厳格になります。これらの事実は隠さずに正直に申告した上で、なぜ違反に至ったのか、深く反省していること、そして今後は日本の法令を遵守して真摯に生活していくことを具体的に説明する「理由書」や「反省文」の提出が不可欠です。このようなケースでは、単に書類を提出するだけでは不十分であり、審査官を納得させるための高度な立証活動が求められるため、出入国管理業務に精通した専門家の知見を借りることが許可への近道となります。

夫婦の交際期間が極端に短い場合

出会いから結婚までの期間が数ヶ月と極端に短い場合や、直接会った回数が非常に少ない場合、偽装結婚が疑われやすくなります。特に、インターネットやマッチングアプリで出会い、すぐに結婚を決めたようなケースでは、審査官は慎重な姿勢で審査に臨みます。この疑念を払拭するためには、短い期間で結婚に至った特別な事情や経緯を、第三者が読んでも十分に納得できるよう、合理的かつ詳細に説明する必要があります。交際の密度を示すための大量のメッセージのやり取りや、毎日のビデオ通話の記録など、交際の真実性を補強するための客観的な証拠を通常以上に厚く集めて提出することが重要です。

安定した収入の証明が困難な場合

日本人配偶者の収入が安定していないと判断された場合、生計の安定性に懸念があるとして不許可になる可能性が高まります。例えば、日本人配偶者がアルバイトやパートなどの非正規雇用である、起業したばかりで収入が低い、転職直後で課税証明書が提出できない、といったケースが該当します。このような状況では、単に収入が低いという事実だけでなく、今後の収入見込みや、それを補うだけの十分な預貯金があること、親族からの経済的支援を受けられることなどを、具体的な資料を添えて説得力をもって主張する必要があります。効果的な立証方法については、専門的な判断が求められることが多い領域です。

まとめ

配偶者ビザを自分で申請することは、費用を抑えられるなどのメリットがある一方で、多くの時間と労力を要し、不許可のリスクも伴います。申請を成功させるためには、手続きの流れを正確に理解し、必要書類を漏れなく準備することが基本です。特に、審査で重要視される「結婚の信憑性」と「生計の安定性」については、客観的な証拠をもって丁寧に立証する必要があります。過去の入管法違反や収入面の不安など、申請が難しい特定のケースに該当する場合は、不許可のリスクを避けるためにも、専門家である行政書士への相談を検討することが有効な選択肢となります。

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