
三輪美幸
行政書士法人GOALのVISAチームリーダー。これまでの豊富なビザ申請経験をもとに、日本で暮らしたい外国人の皆様向けに、日々のお困りごとを解決できるよう寄り添った記事を執筆するよう心がけています!
[身分系ビザ]
目次
日本人の配偶者として日本に在留する外国人が、引き続き日本での生活を続けるためには、在留期間の更新手続きが不可欠です。この手続きを円滑に進めるためには、どのような書類が必要で、どのような点に注意すべきかを事前に理解しておくことが重要です。
この記事では、配偶者ビザ更新に必要な書類の詳細から、申請手続きの具体的な流れ、より長い在留期間を得るための条件、そして更新が不許可になるケースまで、網羅的に解説します。
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在留期間更新許可申請は、現在有する在留資格の活動を継続して行うために、在留期間を延長する手続きです。日本人の配偶者等の在留資格を持つ外国人が、在留期間の満了後も引き続き日本で婚姻生活を続ける場合に必要となります。申請は、在留期間が満了するおおむね3か月前から居住地を管轄する出入国在留管理庁で行うことができます。期限を過ぎてしまうと不法滞在となるため、余裕を持ったスケジュールで準備と申請を進めることが求められます。
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配偶者ビザの更新申請では、法務省令で定められた基本的な書類を提出する必要があります。
これには、申請書本体に加え、身分関係や生計能力を証明するための公的な証明書が含まれます。
申請者である外国人と、その配偶者である日本人、双方で準備すべき書類があるため、協力して収集を進めなければなりません。個々の状況によっては、ここで挙げる書類以外に追加の資料提出を求められる場合もあるため、自身の状況を正確に把握しておくことが肝要です。
在留期間更新許可申請書は、出入国在留管理庁のウェブサイトからダウンロードするか、地方出入国在留管理官署の窓口で入手できます。この申請書は複数のページで構成されており、「申請人等作成用」と「所属機関等作成用」に分かれています。配偶者ビザの更新の場合、「申請人等作成用」は外国人本人が記入し、「所属機関等作成用」は日本人の配偶者が記入を担当します。
申請書には、申請者の個人情報、在留状況、そして家族構成や勤務先といった詳細な情報を記載する必要があり、事実と異なる内容を記入することは不可です。
申請書には規定に沿った証明写真を貼付する必要があります。写真は縦4cm×横3cmのサイズで、申請時から3か月以内に撮影されたものを用意します。背景はなく、帽子などを着用していない、鮮明な顔写真でなければなりません。写真の裏面には申請者の氏名を記入し、申請書の写真貼付欄に剥がれないようにしっかりと貼り付けます。
16歳未満の申請者については写真の提出は免除されています。
写真の規格が規定と異なると、撮り直しや再提出を求められることがあるため、指定された要件を確実に満たすことが重要です。
日本人配偶者の戸籍謄本(全部事項証明書)は、二人の法律上の婚姻関係が現在も有効に継続していることを証明するための重要な公的書類です。この書類には、婚姻の事実が記載されている必要があります。
申請の際には、発行日から3か月以内のものなど、提出先が定める有効期限内のものを提出してください。戸籍謄本は、日本人配偶者の本籍地がある市区町村の役所で取得できます。
住民税の課税証明書と納税証明書は、申請者夫婦の生計維持能力を証明するために提出します。これにより、日本で安定した生活を送るための経済的基盤があるかどうかが判断されます。
提出が必要なのは、直近1年分の証明書で、1年間の総所得と納税状況が記載されているものを用意します。これらの証明書は、その年の1月1日時点で住民票を置いていた市区町村の役所で発行されます。したがって、年の途中で引っ越しをした場合は、以前住んでいた役所で取得する必要がある点に注意が必要です。未納があると審査に大きな影響を与えるため、必ず納税義務を果たしておくことが求められます。
身元保証書は、日本人の配偶者が外国人配偶者の身元を保証することを示す書類です。保証人となる日本人は、外国人配偶者が日本での滞在費や帰国費用を支払えない場合にそれを負担すること、そして日本の法令を遵守させることを保証します。この書類は出入国在留管理庁の指定様式があり、保証人本人が署名する必要があります。
日本人配偶者の住民票は、夫婦の同居の事実を証明するための書類として提出します。この住民票には、世帯全員分の記載が必要ですが、マイナンバー(個人番号)については省略されたものを取得してください。発行日から3か月以内のものを提出する必要があります。
住民票の住所が夫婦で異なる場合、つまり別居している場合は、その理由を別途説明しなければなりません。単身赴任などの正当な理由がない限り、別居は婚姻の実態を疑われる要因となり、更新審査において不利に働く可能性があるため、同居の実態は非常に重要な審査項目です。
更新申請を地方出入国在留庁の窓口で行う際には、書類の提出と併せて、原本の提示が必要なものがあります。具体的には、申請者本人(外国人)のパスポート(旅券)と在留カードです。
これらの提示は、本人確認と現在の在留資格や在留期間などを確認するために行われます。
パスポートが有効期限切れであったり、紛失して提示できない場合には、その理由を説明する文書の提出が求められることがあります。申請手続きをスムーズに進めるためにも、これらの重要な書類は必ず持参するようにしてください。
申請書類を記入する際は、全ての項目に対して正確かつ正直に情報を提供することが最も重要です。記載内容が事実と異なっていたり、前回の申請内容と矛盾していたりすると、虚偽申請とみなされます。記入漏れがないように、全ての欄を埋めることを心掛け、該当しない項目には「なし」や「該当なし」と明記します。特に、収入や資産、同居状況に関する項目は審査で重視されるため、誤解を招かないよう慎重に記入してください。
提出前には、誤字脱字がないか、添付書類との整合性が取れているかを確認します。
すべての必要書類が準備できたら、申請者の住居地を管轄する地方出入国在留管理庁に提出します。申請は、在留期間が満了する日の約3か月前から受け付けられます。窓口で申請が受理されると、書類審査が開始されます。
審査の過程で、提出された情報に不明な点があれば、追加資料の提出通知書が送付されたり、電話での問い合わせが求められたりすることがあります。
審査が完了すると、結果がハガキで通知され、指定された持ち物を持参の上、新しい在留カードを受け取りに行くという流れになります。
配偶者ビザの更新申請にかかる審査期間は、公式に定められているわけではありませんが、一般的には2週間から1か月程度が目安とされています。ただし、この期間はあくまで目安であり、申請内容の複雑さ、提出書類の不備の有無、各入管の混雑具合など、様々な要因によって変動します。
そのため、審査が長引く可能性も考慮し、在留期間の満了日ぎりぎりではなく、できるだけ早く申請手続きを行うことが賢明です。
万が一、申請中に在留期間が満了しても、申請中であれば満了日から2か月間の特例期間が設けられています。
配偶者ビザの更新を成功させるためには、手続きの全体像を把握しておくことが大切です。
更新手続きは、単に書類を提出するだけではなく、日本での婚姻生活が安定して継続していることを証明するプロセスです。申請準備から許可までの流れを理解し、審査で重視される「婚姻の継続性・信憑性」「生計の安定性」「素行の善良性」といった要件を満たしていることを客観的な資料で示す必要があります。
この全体像を理解することで、計画的に準備を進めることが可能になります。
配偶者ビザ更新の一般的な流れは、まず在留期間満了の3か月前を目安に必要書類の収集を開始することから始まります。次に、完成した申請書類一式を住居地を管轄する出入国在留管理局へ提出します。提出後、通常2週間から1か月程度の審査期間を経て、結果が通知されます。許可となれば、指定期間内に出頭し、手数料分の収入印紙を貼付した上で新しい在留カードを受け取ります。
更新の基本的な要件として、法律上の婚姻関係が継続していること、夫婦が同居し、生計を一つにしていること、そして安定した収入があり公的義務を果たしていることが求められます。
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配偶者ビザの更新が許可されるためには、いくつかの重要な条件を満たしている必要があります。
・婚姻の信憑性と継続性:夫婦として同居し、協力し合い、社会通念上の夫婦としての実態があることが求められます。
・日本で安定した生活を継続できる経済的基盤があること:これは夫婦の収入を合算して判断され、住民税の課税・納税状況が重要な指標となります。
・申請者本人と配偶者が日本の法律を遵守していること:交通違反の多さや犯罪歴があると、素行が善良でないと判断され、審査に不利に働くことがあります。
配偶者ビザの在留期間には「5年」「3年」「1年」「6か月」の種類があり、初回の申請では1年が付与されるのが一般的です。更新を重ねる中で、より長期の在留期間を目指すことが可能になります。特に3年の在留期間は、安定した在留状況の証ともいえ、生活の安定にも繋がります。
ここでは、3年の在留期間を許可されるために、どのような基準で判断され、具体的にどのような条件を満たす必要があるのかについて解説します。
付与される在留期間の長さは、出入国在留管理庁の裁量によって決定され、その明確な基準は公表されていません。しかし、一般的には、婚姻生活の安定度や日本での定着性、法令遵守の状況などが総合的に評価されます。
例えば、婚姻期間が長く、夫婦の間に子がいる、安定した職業に就き十分な収入がある、税金や社会保険料の納付義務をきちんと果たしているといった状況は、長期の在留期間が許可されやすい要素です。
逆に、婚姻後すぐに別居した、収入が不安定、公的義務の不履行があるなどの場合は、1年といった短い期間になる傾向があります。
3年の在留期間を目指す場合、いくつかの肯定的な要素を積み重ねることが重要です。
・結婚してから3年以上が経過しており、その間、夫婦関係が良好に継続していること
・経済的な安定性も不可欠で、夫婦の世帯年収が一定水準以上あり、継続して安定収入が見込めること
・住民税や年金、健康保険料などの公的義務を遅滞なく果たしている実績:日本の社会の一員としての信頼性を示す上で極めて重要です。
これらの条件を満たし、今後も日本で安定した生活を送ることが確実であると判断される場合に、3年の在留期間が付与される可能性が高まります。
理由書は、配偶者ビザ更新申請において必須の書類ではありませんが、申請書や証明書だけでは説明しきれない特別な事情がある場合に、その内容を補足するために非常に有効です。
例えば、夫婦がやむを得ない事情(単身赴任や親の介護など)で別居している場合や、転職直後で収入証明が十分でない場合、過去に更新が不許可になった経緯がある場合などに提出が推奨されます。
理由書を作成する際は、なぜ更新が必要なのかという点に加え、審査官が疑問に思うであろう点について、客観的な事実に基づいて、具体的かつ誠実に説明することが求められます。感情的な表現は避け、状況を論理的に記述することが肝心です。
配偶者ビザの更新は、申請すれば自動的に許可されるものではありません。提出された書類に基づき、在留状況が適正かどうかが厳格に審査されます。そのため、申請にあたっては、不許可となるリスクを事前に理解し、それを避けるための対策を講じることが重要です。
ここでは、更新が認められない主な理由と、それを踏まえて申請を成功に導くためのポイントを解説します。適切な準備を行うことで、不許可のリスクを最小限に抑えることが可能です。
配偶者ビザの更新が不許可となる主な理由として、
・婚姻の実態の欠如:正当な理由なく長期間別居している、夫婦間のコミュニケーションがほとんどないといった状況は、偽装結婚を疑われる原因となります。
・生計維持能力の不足:世帯収入が生活保護基準を下回るなど、日本で独立して生計を立てることが困難だと判断されると不許可になる可能性があります。住民税の滞納もこの理由に含まれます。
・素行不良:重大な交通違反を繰り返したり、犯罪で有罪判決を受けたりした場合は、在留を継続させることが適当でないと判断され、不許可につながります。
更新審査で不利になり得る状況でも、適切な説明と立証を行うことで許可を得た事例は数多くあります。
例えば、夫の失業により世帯収入が一時的に減少したケースでは、夫の再就職活動の状況を具体的に記した理由書と、妻の収入証明、そして十分な預貯金があることを示す残高証明書を提出し、生計の安定性に問題がないことを示して許可されました。
また、仕事の都合で週末しか同居できない夫婦のケースでは、平日の電話やメッセージの履歴、週末に一緒に過ごした際の写真などを添付し、別居には合理的な理由があり、婚姻関係は良好に継続していることを証明して更新に成功しました。
配偶者ビザの更新手続きは、日本での生活を継続するための重要なプロセスです。円滑に許可を得るためには、在留期間更新許可申請書や戸籍謄本、課税・納税証明書といった必要書類を、定められた要件に従って不備なく準備することが基本となります。その上で、安定した婚姻関係が継続していること、独立して生計を立てられる経済力があること、そして日本の法令を遵守していることを、提出書類を通じて客観的に証明しなければなりません。特に、3年や5年といった長期の在留期間を希望する場合は、これらの要素を高いレベルで満たしていることが審査で評価されます。
個別の事情により申請に不安がある場合は、専門家へ相談することも一つの方法です。
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